対象の個人デベロッパーアカウントには、本番公開の前に、12人以上のテスターが14日間続けてオプトインするクローズドテストという関門があります。私がこの条件を知ったのは、Study AIのAndroid版のコードが完成したあとでした。コードは動くのに、公開はその手前で止まっている。そこからのスタートだったんです。
そうなると、ここから先に必要なのは実装の続きではなくて、人を集める仕事です。同じ個人開発でも、Webアプリを公開したときには無かった関門でした。テスターを募って招待し、14日間は参加状態を確かめながらフィードバックをもらう、そこまで含めた運用になります。しかも12人ちょうどに声をかけただけだと、招待の見落としや途中離脱が1人出た時点で条件を割ります。
で、Study AIでは募集目標を15〜20人に置きました。Googleが求める人数はあくまで12人です。15〜20人のほうは、離脱を見込んで私が決めた目標にすぎません。
Googleの条件は12人、15〜20人は私の募集目標
対象アカウントの条件は「12人以上が14日間継続してオプトイン」。15〜20人は、招待の見落としや途中離脱を見込んだ募集目標であって、Googleが追加で求めている人数ではない。
クローズドテスト「12人・14日」の正確な条件
公式案内は2026年7月17日にあらためて確認しました。2023年11月13日以降に作成された対象の個人デベロッパーアカウントは、本番アクセスを申請する前にクローズドテストを行う決まりです。
| 項目 | 公式案内の内容 |
|---|---|
| 対象 | 2023年11月13日以降に作成された対象の個人デベロッパーアカウント |
| テスト方式 | クローズドテスト |
| 人数 | 12人以上 |
| 期間 | 直近14日間、継続してオプトイン |
| 申請 | 条件達成後、Play Consoleから本番アクセスを申請 |
Study AIのアカウントは、この対象にそのまま当てはまります。そして、14日間が終われば自動で本番公開、というわけでもないんです。本番アクセスの申請では、テスターをどう集めたか、どのように使ってもらったか、どんな意見を受けて何を変えたかなどを回答します。だから人数だけそろえるのではなく、実際に試してもらうところまで考えておく必要があります。
条件の最終確認は自分のPlay Consoleで
アカウントの種類や作成時期によって、利用できるトラックや条件は変わります。この記事の基準日は2026年7月17日です。実施前に、自分のPlay ConsoleとGoogle Play公式ヘルプを確認してください。
12人を集めるために15〜20人へ声をかける
条件の人数は12人です。でも、声をかける相手が12人ちょうどだと余裕がありません。応募から14日間の完走までのあいだに、抜ける理由がいくつもあるからです。
- 応募後、招待メールに気づかない
- Google Playの参加リンクを開かない
- 対象端末やGoogleアカウントの条件が合わない
- 14日間の途中でオプトアウトする
- 参加状態にはなったものの、アプリを試していない
どれか1つ起きるだけで、手持ちの12人は11人になります。そう見込んで、初回の募集は15〜20人にしました。人数を増やせば必ず条件を満たせる、という話ではありません。途中で12人を割る可能性を下げながら、実際の意見も集められる人数として決めた数字です。
応募からフィードバックまでの6つの数字
参加状況は6段階に分けて数えています。XのDMだけで募集すると、誰に招待を送って、誰が参加していて、誰がいま何日目なのか、すぐ追えなくなるからです。
| 数字 | 意味 | 確認する場所 |
|---|---|---|
| 応募者数 | 募集フォームを送信した人数 | メール配信サービス |
| 招待済み数 | 参加リンクを送った人数 | 配信タグ・送信記録 |
| オプトイン数 | Google Playでテスト参加した人数 | Play Console |
| 継続人数 | 14日間の条件を満たし続けている人数 | Play Console |
| 利用人数 | 実際にアプリを使った人数 | 匿名の利用イベント |
| 回答人数 | フィードバックを返した人数 | アンケート・返信 |
ストア条件の進み具合として見るのは、Play Console側のオプトイン数と継続人数です。応募者が12人を超えていても、Google Playでオプトインしていなければ条件には数えられません。一方、アプリの改善に使うのは利用人数と回答人数のほうです。
募集ページで先に伝える14日間のお願い
募集ページは、アプリの機能紹介だけでは終わらせませんでした。参加を決める前に読めるところに、お願いしたいことと、協力してもらった場合の特典を並べました。
- 参加費は無料であること
- 現在の主な対象はAndroidであること
- 招待後14日以上、テスト参加状態を維持してほしいこと
- 期間中に数回、実際に使ってほしいこと
- 気づいた点を簡単に共有してほしいこと
- 条件を満たして協力を完了した方には、対象アプリで将来提供する有料プランを無償提供すること
- 応募しても必ず参加できるとは限らないこと
お願いと特典を先に読んだうえで応募してもらう、という順序です。フォームの入力項目は、メールアドレス、利用端末、興味のあるアプリの3つにしました。初期表示はStudy AIのAndroid版で、同じ入口からTime LogとChore Points(家事分担アプリ)の待機リストにも登録できます。無償提供の対象は、協力してもらったアプリで将来提供する有料プランです。
Xの反応と応募のあいだにある4段階
Xはテスター募集の主な入口です。ただ正直、投稿へのいいねや表示回数を眺めていても、応募まで進んだかは分からないんですよね。応募までの道のりを分けると、次の4段階になります。
- XやWordPressの募集リンクをクリックした
- 募集ページを表示した
- フォーム送信を始めた
- 登録を完了した
そこで、リンクには流入元と対象アプリが分かるUTMを付けます。これで、「Xの投稿は見られたが募集ページへ進まない」のか、「募集ページまでは来たもののフォームで離脱した」のかを切り分けられて、直すべきなのが投稿文なのかフォームなのかも判断しやすくなります。
計測では、個人情報の置き場所をはっきり分けました。メールアドレスはメール配信サービスにだけ保存して、アクセス解析には送りません。アクセス解析に残すのは、流入元、対象アプリ、端末、フォーム送信の成否など、募集の流れを直すために必要なイベントだけです。
14日間に置いた5つの連絡の節目
招待リンクを送って終わりでは、参加した人も何をいつ試せばよいか分かりません。かといって毎日連絡する必要もないので、節目を5つだけ決めました。
| 時点 | 案内する内容 |
|---|---|
| 招待時 | 参加リンク、Googleアカウント、14日間の条件、問い合わせ先 |
| 3日目 | 参加できたかの確認、最初に試してほしい操作 |
| 7日目 | 中間確認、困った点や分かりにくい点の募集 |
| 13日目 | オプトイン状態の確認、最終フィードバックの依頼 |
| 14日目以降 | お礼、反映した改善、今後の公開予定 |
これはGoogleが決めた連絡回数ではなく、私が用意した運用案です。効かせたいのは最初の参加確認と7日目のフォローで、招待メールの見落としや、操作に詰まっているところを早めに拾うための節目です。
募集投稿の前後で見せる使い方と進捗
フォロワーが少ない段階で「テスターを募集します」とだけ投稿しても、14日間付き合う理由までは伝わりません。なので募集投稿は固定しておいて、その前後では次の内容も発信します。
- Study AIでどのように学習を記録できるか
- 進捗画面で何が分かるか
- なぜ14日間の協力が必要なのか
- テストで確認してほしい操作
- 応募数とテスト準備の進捗
- 受け取った意見をどう改善へ反映したか
お願いだけで終わらせず、実際に使える機能と改善している過程も見せるようにすると、参加したあとに何を試すのかを想像してもらいやすくなります。
公開までに残っている仕事
ふり返ると、Study AIの公開準備はコードの完成では終わりませんでした。12人が14日間参加し続ける条件は自動では満たされないので、募集ページを作り、参加状況を6段階で数え、連絡する日を5つ決める、そこまでが個人開発の公開準備でした。AIと5つのアプリを作って分かった品質の確かめ方でも、最後に残るのは公開してよいかを決める仕事でした。
まず見る数字は、応募者数ではなくPlay Console上のオプトイン数です。そのうえで利用人数と回答人数も確かめて、ストアの条件を満たすだけでなく、公開後も使ってもらえるアプリへ直していきます。
「12人・14日」に対して、いま手元にあるのは15〜20人の募集目標、1つの募集ページ、5つの連絡時点です。応募はStudy AIの募集ページから受け付けていて、メールアドレスと利用端末、興味のあるアプリを送ってもらえれば、招待から14日間の連絡まで、この段取りで進めます。あとは、14日間付き合ってくれる人へこの募集を届けることです。




