私が一番最初に始めた副業は「せどり」です。
今も「副業」で検索するとたくさんの「せどり」のページがヒットします。
私は実際にせどりで年間700万円以上の売上がありましたが、せどりは止めてしまいました。
一応、利益は出ていましたがそれでも止めるという決断をしました。
せどりに関する情報はいろいろありますが、年間売上700万円以上かつ数年せどりを個人で行った私の意見を書きたいと思います。
せどりは初心者でも簡単にできる
私は「初心者でも簡単にできる」ではなく、「初心者でも仕事の簡単にイメージできる」が正しいと思っています。
せどりは「割安な商品を仕入れて売る」ことで儲ける副業で、とてもイメージしやすい副業になります。
これに比べてアフィリエイトなどは、ある程度の知識がないとお金やサービスの流れがイメージしにくくなっています。
物の売り買いなので、せどりは収益モデルが単純でイメージしやすいです。
しかし、イメージできるから簡単にできるわけではないし、簡単に儲けられるわけではありません。
通常の物販を考えれば分かることですが、せどりは儲けられることもあれば損することもあるのです。
町にある実際の店舗も潰れますよね?
インターネットでも参入と撤退が日々繰り広げられているわけです。
もちろん儲けられる可能性もありますが、みんな儲けられるわけじゃないということは頭に入れておく必要があります。
私は利益が出ていたので儲けられないとは言わないですが、簡単に儲けられるとは思っていないです。
せどりはどれぐらい儲けられるか
初心者でも簡単に儲けられるわけじゃないのは分かったけど、「実際どれぐらい儲けられるの?」ということもにも触れたいと思います。
せどりがどれぐらい儲けられるか考える時に注目したい指標が「利益率」と「不良在庫率」だと思っています。
ここからの説明の前提は次の通りです。
利益計算の前提
- 商品の仕入単価は1,000円前後
- amazonFBAでの販売
儲けられるかも「利益を出せるか」ではなく「手元のお金が増えるか」という観点で話します。
利益率
ここで説明する利益率は、売上に対する利益率になります。
また、「売上-仕入」を売上粗利率、「売上-仕入-その他経費」を利益率として説明していきます。
利益率でも「何に対する利益率」なのか、「売上から控除している経費は何か」で全く意味合いが違ってくるので正しく使い分けないと全く意味がありません。
結論、最低でも売上粗利率は50%以上、利益率は10%以上ないと儲けられないのが私の実践した結果です。
おおよそ仕入値の倍の値段での販売が必要になります。
平均なので多少のブレはあるかと思いますが、1,000円で買ったものを2,000円で販売し続けることが必要になるわけです。
これって結構しんどくないですか?
私は楽天で仕入を行ってポイントを獲得することで仕入単価を下げていたので何とか利益が出ていました。
倍で売れる商品は実際に存在しますが平均となると結構キツイです。
1,500円で仕入れた商品であれば3,000円で売って利益が約300円です・・・
「お宝商品を売ればいいじゃん!」と思うかもしれませんが、初心者はお宝商品を簡単に見つけられません。
「輸入できるよ!」、「商品にめっちゃ詳しい」とか他のスキルがあるなら別ですがゼロからスタートで商品リサーチしている人がお宝商品を見つけるのは難しいです。
実際に、休日を使って1時間商品リサーチしてみるといいと思います。
時給1,000円とすると、売価ベースで10,000円分の商品をコンスタントに見つけられないならバイトした方が効率がいいです・・・
他にも納品作業とか、FBAを使っていなければ出荷作業もあるので商品リサーチだけでバイトより時給単価が低いならやめましょう・・・
不良在庫率
せどり関連の情報で語られることの少ない不良在庫率ですが、かなり重要です。
会計的にも利益計算に不良在庫率は関係ないのですが、実際は手元資金のキャッシュフローを考える必要があるので超重要です!
手元資金がないと仕入ができません。
手元資金を増やすには不良在庫率は20%以下に抑える必要があります。
これは粗利益率50%、利益率10%を想定した場合です。
100個商品を仕入れたら少なくとも80個は売り切るということになります。
利益率が良いだけでなく売れる商品を仕入れないといけないわけです。
私の実践結果だと不良在庫率は10%前後でした。
商品ランキング等から売れる商品を厳選していましたが、それでも数%は不良在庫として損切したりすることになります。
実践結果
私の実践結果をサンプルに見てみましょう。
儲けられる情報はネットで公開するはずないですが私はせどりを止めたので公開しちゃいます。
項目 | 金額 | 割合 |
売上 | 7,428,779円 | 100.00% |
仕入 | 3,681,236円 | 49.55% |
粗利 | 3,747,543円 | 50.45% |
FBA販売手数料 | 2,522,721円 | 33.96% |
FBA関連費用 | 331,311円 | 4.45% |
宅急便代とか | 6,186円 | 0.08% |
AWS費用とか | 26,882円 | 0..36% |
宅急便代とか | 272,836円 | 3..67% |
利益 | 587,607円 | 7.91% |
こんな感じにになります。
他の情報としてはこんな感じですね。
項目 | 数値 |
販売商品数 | 3,604個 |
売上平均単価 | 2,061円 |
仕入平均単価 | 1,021円 |
ここに楽天ポイントがちょっと上乗せされるような感じになります。
この中には1,000円くらいで購入して10,000円くらいで販売している商品もありますが平均を取るとこんなもんでした。
売上利益率30%超えの商品は550,000円分くらいだったので大体7%くらいの売上割合で、10~30%の売上利益率の商品が5,500,000円くらいで、損切のために利益がマイナスで販売した商品も当然あります。
これでもキャッシュフローはキツかったですよ。
月20万円稼ぐためには売上利益率が10%なら売上200万円・仕入100万円必要ですし、5万円円なら売上50万円・仕入25万円ないとダメですね。
もちろん不良在庫があれば手元の現金は減るので、もっと売上が多くないと生活できません。
私の実践結果なので、もっと稼いでいる人もいると思いますが、一般人の知識ゼロからだとこんな感じになる気がします。
まとめ
せどりは上手く実践すれば稼げる副業だと思いますが、必要な資金に対して手元に残るお金が小さいです。
それは(不良)在庫があるからです。
副業サイトではせどりの利益率ばかり強調されて、不良在庫のリスクについて数値を用いて説明している人はあまり見当たりません。
商品単位で利益計算すると儲けられる商品は存在しますが、次の点は実践前にちゃんと確認しておいたほうが良いです。
せどりを実践する前に
- 高利益の商品が継続的にみつかるか
- 不良在庫はどの程度になるか
- キャッシュフローはまわるのか
私はプログラムを使ってせどりを半自動化していました。
自作プログラム
- ECサイト間の商品価格比較
- ECサイトでの自動購入
- amazonの商品販売個数予想
- amazonの出品価格自動調整
- amazonの納品データ作成
- 販売結果集計
- 販売価格
- 商品原価
- 販売手数料
- 利益率
プログラムを自作していたので、実際の作業は次のような感じでした。
私のせどり作業
- 自動購入プログラム起動
- 納品
- 商品バーコードスキャン
- 商品数チェック
- 配送手続き
年間700万円の売上があったときも月の作業時間は10時間程度でしたが、手元に残るお金の少なさと、同じ作業の繰返しがつまらなくて止めました。
正直言えば、プログラムを自作していた時が一番面白かったです。
これが私がせどりを止めた理由になりますが、私の実践結果をみて「いや!私はもっと上手くやれる」と思ったり、特殊な知識がある方にはある程度おススメできる副業ではあります。
稼げない副業ではないですが、稼げるとも限らない副業です。
ちなみに、インターネット上で「せどりの実績公開します!!」からの「〇〇に申込してね」って人は、ほぼ詐欺だと思うので気を付けてください。
私も実践していた時は情報公開してませんでしたし「稼げるなら自分で実践しろ」と思います。